KAWAI楽器の足踏みオルガン

ウイルの後部座席を外してまで購入したカワイ楽器の足踏みオルガンの年式は不明だが、外装の雰囲気や譜面台の装飾などから見て、昭和40年代初期から中期ぐらい、西暦なら1970年代ぐらいの代物と思われる。約2オクターブしかないスケールに12センチほどの小さな鍵盤だ。黒鍵などは5センチにも満たない小さなおてて用の楽器なのだ。しかし、オルガンはふいご式だから踏んで空気を送らねば音が出ない。小さな子どもには演奏するのが大変な楽器だ。そんな時代を経てオルガンは電気でブロワを動かす電動オルガンへ進化し、その後ヤマハから音色を変えられるエレクトーンが登場する。自分がピアノ技術者だった頃はすでにエレクトーンの時代だったが、それでもたまにオルガンの修理や調律もやった。今はリードを引き抜く工具もリードを削る工具もないけれど、オルガンの音には技術者だった時代の思い出があるし、何よりオルガンのチープな音には自分が子供だった小学校時代の景色が重なる。だから今回のオルガンの購入は楽器としてではなく蒐集品としての購入だ。幸い天板ニス塗りの平板でちょっとしたものも置ける棚にもなる。断捨離もいいが好きなものに囲まれて過ごすのはもっと気持ちいい。しょせんは凡人だから物欲にまみれて生きて行こうと思っている。

ウイルの後部座席

買ってから一度も後部座席に人を乗せたことがないウイルですが、今回、ヤフオクで落札した古いオルガンを積むため後部座席を取っ払いました。なぜかと言うと落札条件が引き取りだったからです。引き取り先は北上のリサイクルショップ。自宅から高速を使えば約一時間半でいけます。ウイルの狭い車内は車検証上は5人乗りですが、実際には後ろの席は子どもが二人乗っても狭い状態です。そのため荷物置き場になっていたのですが、今回は座席の下部分を取り外し、むき出しになった部分に両面テープで床材を貼りました。座席を取ったので約25㎝ほどの高さクリアランスを確保したので、高さ75㎝の足踏みオルガンを収納できます。ウイルの改造が終わって、いざ、オルガンを取に北上へ。ついでにリサイクルショップの向かいにあったユニクロでトランクスなんか買って、帰りは東北自動車道で盛岡へ向かい用足しをして106で帰宅。ぐるっと一周しました。まるで昔の山田線を走っていた「急行そとやま」みたいでした。オルガンは部屋に持ち込んでブバブバとふいごを踏んでまずは「さいたさいた」「ゆうやけこやけ」「かえるのうた」を弾きました。めでたしめでたし。ところで後部座席を外したので運転席の背もたれを最大に倒しシートを少し前に出すと車内は広々ワンルームです。頑張ってもう少し改造すれば車中泊できそうです。