「料理教室」カテゴリーアーカイブ

おつまみ衣替え

冷菜に冷えた純米酒
寒くなって温かい蒸し豆腐も食う

桜が散って一気に夏の雰囲気になった。気温も上がり晩酌のオカズも冷菜が食いたいなと思って色の良いトマトを買ってきて氷水で冷やしてオリーブオイルと粉チーズでいただく、なんていいかも、思って冷酒用に純米酒とか買ってきた割りに、〆はやっぱ温かいのが食べたくなっていつもの挽き肉の蒸し豆腐。やっぱ冷たい系はまだ早いんだなと感じるのだった。

宅飲み全盛時代

街で飲み食いするより、美味しい

湯豆腐と春ワカメ、純米酒と手作り餃子。今年から2か月に一度ばあさんをショートステイに出しているので、夕食にまずばあさんの食事を作ってそれを食わしてから、自分のゴハンという毎日のパターンを脱却して、いきなり自分のゴハン、つうかツマミを作って飲みに入ることも可能になった。本当は一週間のショートステイの間に一日ぐらい夜の街に出てブラりと飲んでみたいけれど、一人で飲みに出るのってなんか寂しいし。コロナで宅飲みが当たり前になったこともあるけれど、別に外へ飲みに行かなくても一人の飲みだって十分に家で楽しめたりする。お金もかからないし、タクシーを待つ苦もない。飲食店の皆様には申し訳ないが、あなたたちのお店って、高いし、おいしくないですよ。もっと魅力ある味や企画がないと、限界市町村同様に、将来、消えますよ。

ブラッドオレンジ

重しをして煮込む
冷えたら保存ビンへ

昔バイトしていたレストランのソフトドリンクメニューに「ブラッドオレンジジュース」ってのがあって結構人気だった。ジュースはイタリア産で冷凍で納品されパックごと解凍し提供していた。確かグラスで一杯その頃600円だった。今なら750円ぐらいしてることだろう。そのブラッドオレンジ、名のごとくその果実は濃いオレンジ、まさに血のようなオレンジ色で濃厚な風味がある。当時、実物を見たことがなかったから勝手にイメージでグレフルぐらいの大きさなんじゃねー?と思っていた。そしたら最近スーパーの外国果実のコーナーに置かれていて、一袋8個ぐらい入って480円だと。大きさもなんか思ってたより小ぶりで大きめのミカンぐらいだった。んじゃ試しに買ってみっるかと購入してまずは生で食べてみた。うーん、思ったほど甘くない。つーかあまりおいしくない、こりゃシロップ煮だな。というわけで煮ました。果実は塩でもんでよく洗って乾かしてから輪切り。重さを計り小鍋に入れて総量の三分の一程度の砂糖でじっくり煮込んだ。そしたらまずまずの甘味と独特の爽快感のある風味が出た。マリネのアクセント、鶏肉の煮込みなどにの使える。ま、そのまま食っても美味しいですが。

春キャベツとアサリ

マロニーちゃんのアサリのダシが染みて美味しい

春キャベツが出回るころに、アサリと創味シャンタンで蒸し煮で食うのが好きなんだが、最近は食品衛生法とかの規制なのか、価格が合わないのかスーパーで売っているアサリのほとんどが冷凍した死んだアサリだ。しかも中国産。これらは身はそこそこ大きいが死んでしかも一旦凍結されたやつだから、加熱してアサリから出てくるダシというか旨味がイマイチ、というかゾンビだ。ひと昔前は粒は小さいけれど生理食塩水のパックに入った生きたアサリを売っていたし、子どもの頃はアサリってのは買ってきても一晩塩水に漬けて砂抜きしなければ食べられなかった。なのに最近は冷凍流通が当たり前になってしまいアサリ本来の味が生かされなくなった。パスタだってみそ汁だって、もちろん酒蒸しだってそりゃ見た目ちゃんと貝は開くけれど、冷凍と生は味も風味も別物だ。
生きたアサリが手に入らないけれど、たまには滋味深い料理もいいかなと思って、春キャベツとアサリの蒸し物を作った。まずは皿の下に茹でたマロニー(春雨の太いやつ)を敷いてそこに春キャベツとアサリ、ニンニク少々を載せて、紹興酒としょう油、創味シャンタンを入れてアルミホイルで蓋をして蒸し鍋に入れて約15分。アサリのダシと紹興酒、シャンタンのスープはマロニーが吸って、美味いのなんの。これでアサリが生なら申し分ないんだけど。
春めいてくると宮古沖のタラもラストシーズンだ。タラは脂がのって最も美味しいのは2月頃の寒タラってことになっているけれど、その時期はおいしいのはわかるが値段が高い。だから無理せずシーズンオフの遅い時期にタラフライってのもいい。タラフライはしっかり骨取りしてレモンで締めて調理すれば、ばばあも食べる。キャベツの千切りのいつもより細かく切って、和カラシととんかつソースでいただく。タルタルなんて邪道、タラフライはしょう油かソースが宮古流だ。残りは砂糖しょう油で甘辛く煮て弁当のオカズ。

ブレンダーを買った

3200円とかなりお安い
牛乳にお酢を入れて分離させてから砂糖と塩でクリームチーズが完成

ブレンダーを買った。二流メーカーの安物だが取りあえず使えば便利だ。一流品品とされるブラウンやティファールのやつだとゆうに10000円オーバーの価格だ。高いものはそれなりにいいモーターを使っているようで、連続使用時間も長く設定されていて料理にストレスがこない設計だ。今回買ったブレンダーは連続使用は1分と設定されていてそれ以上回すとエラーが出て一端クールダウンするらしい。だが、ブレンダーを連続で1分回すってシーンはそうザラにはない。料理って回しながら止め、再び回しながら止めを繰り返して進めるもので連続で回すってのはほぼない。フープロでさえ止めながら状況をみつつ数回に分けて回すのが普通だ。ま、今回は牛乳を米酢で分離させて得たカッテージチーズを練るためにブレンダーを使用した。ミキサーや泡立てだとクリームチーズが固くて針金の中にまとまってしまい混ざらないのだ。その点、ブレンダーは小さなカッターの刃が回転するからダンゴにならず砂糖などを混ぜられる。今回はホエーと分離させてから一晩冷蔵庫で水切りして塩少々を混ぜて攪拌、その後砂糖、練乳で味を整えた。自家製は添加物も入ってないから旨いこと、進むこと。フルーツとヨーグルトでばばあに食わせているが、そのうちチーズケーキやティラミスも作れそう。

きんかんシロップ煮

フォークで穴をあけてから弱火で煮ていきます
保存ビンに入れて柑橘好きの人へプレゼント

キンカンと言えば真っ先に虫刺されや、いんきんたむしに効くという独特のアンモニア臭い塗り薬のキンカンを思い出す。僕が子どもだった昭和40年代は柑橘と言えばミカンとナツミカンしかなかった。そんな時代に当時のTBSドラマ(系列はあいまいだが…)かなんかのタイトルに三姉妹の暮らしを描いた「みかん、きんかん、夏みかん」というのがあって、その時はじめて「キンカン」という柑橘を知った。それは何と皮ごと食べる小さいみかんで、それを初めて口にした時は苦くて種も多いし吐き出してしまった。以来キンカンってさほど美味しくないという先入観で大人になったのだが、晩年になってレストランのホール係りのバイトをした時、その店のシェフがキンカンのコンポートやタルトを作り、それを試食したらこれがすこぶる美味しい。なーんだ生で食うだけじゃないんだ、しっかり手をかければおいしい柑橘じゃないかと、キンカンに対するイメージは180度変わった。その後バイトも辞め介護暮らしになったわけだが、当時シェフがやっていた仕込みは眼で見て覚えているから真似してコンポートを作った。タルトやケーキに応用しようと思ったが結局はタコやカツオの刺身や和食系の和えものの具やアクセントに使ってしまった。

タコの刺身にナメコとキンカン。白ワインで

身欠きにしんのもどし

掃除してから再び煮てゆく
昆布がくせ者

お正月の定番商品の余りが安売りになっていてその中に身欠きニシンがあった。うーむ、安いのはわかるが調理法がわからない。仕方ない諦めるか…。とそんなふうに思っていたが、身欠きニシンってお正月の昆布巻きだけの需要ではなく、スーパーには年中あって賞味期限が近くなるとそれなりに安売りになっているらしい。何のことはない自分が食べ物として気にも止めていなかっただけなのだ。ならば試しにと安売りになったものを1パック買って米のとぎ汁で一晩戻し試しに圧力鍋で煮てみた。そしたら台所中ニシン臭くなった。それでも煮上がったものを砂糖しょう油で煮てみたら、うむ、なるほどこんな味だったのか…と思う食感でなんとか酒の肴にはなるが骨がイラつく。きっとこれはこれは下処理が悪いんだろう。一晩戻して柔らかくなった時点で背骨や腹骨を始末して食べやすく掃除しなければならんらしい。よし、ならば再度挑戦して、来年のおせちに向けて昆布巻きにしてみようと再び身欠きニシンを購入再チャレンジした。結果はそう甘くはなかった。今度は昆布がダメ。煮すぎてやわやわになってしまった。奥が深いな身欠きニシン。

自家製のしそ巻き

しその葉でタレに漬けたニンジンとゴボウを巻く
赤しその葉っぱの塩漬けを戻すときは酢をちょっといれるのがコツ

シソ巻きは元バイト先のレストランのシェフの大好物。彼はイタリア料理が専門だが和食、しかもローカルな田舎料理に関しては相当に疎い。そのくせそんな漬け物系の昔料理が好きなのだ。数年前までは「シソ巻き」(ゴボウ巻き、南蛮漬けなど名称は様々)は普通に売っていたが、近年食品衛生法などで調味料表記などが義務化され田舎のおばあちゃんらが作っていたシソ巻きにもそんな条例が適応された。いなかのばあちゃんの手作りに真空パックだの調味料表記など機械もワープロもないから出来るわけなく、市内老木、山田町豊間根などの老舗ばあちゃんたちは製造販売をやめた。保健所の指導もいいがこうやって昔からの味を消滅させていいんだろうかと思う。仕方ない、売ってないなら自分で作るしかねーべよとなった。幸いにも去年お庭の赤シソを塩漬けしたという人からシソを分けてもらい見よう見真似でゴボウとニンジンをタレに漬けてシソで巻いた。15本ぐらい作って食べて残りはバイト先のシェフに進呈。後日、うんめー(^^)とメールがきた。よかったよかった。

30年前の中華鍋、復活するのか

地べたに8年放置したままだった
ワイヤーブラシでこすり、耐水ペーパー220番で磨く
今日はここまで。裏はまだ汚い

崎山の家を出てくるときに自分が買ったいろいろな調理道具を持ってきた。そんな中に愛用の中華鍋と北京鍋があった。これらは家は勿論、30代後半から加わったアウトドア季刊誌の編集に伴って、野外料理に使った道具たちだ。最初は中華鍋を買ったが腕に筋力がないヤワな自分は振って煽るのが負担だったことから取っ手がついた北京鍋を追加してこれで、何回にもわたり相当な量のチャーハンを作った。家、野外含めれば100回以上だろう。そんな思い出の北京鍋も結局は実家では使うこともなく、最終的にお盆の松明かし用になって穴が空いてしまった。しかし、中華鍋の方は地べただったが雨ざらしにはなっていなかったためサビは凄いがまだ使えそうだった。最近は「蒸し」のパターンの中華をよく作るし、ここは30年ぶりの鍋復活ってのもいいな、とまずは鍋を洗ってタワシでこすって全体を洗った。こういう作業はYouTubeネタみたいなものだがこちらには撮影機材もカメラマンいないしアカウントもない。グラインダーとかワイヤーブラシとか考えたが、鍋は丸いのだからここは無理せずに耐水ペーパーが無難だ。ペーパーを買いにダイソーに行って相変わらず要らぬ物まで購入し帰宅、早速、夕食後にペーパー掛けをしたがこれがまー重労働。第一回目はこんなもんだろう。あとは休みの日にでも。

おせちと地震の元旦

今年の自作おせち。カマボコのみ既製品
雑煮はクルミダレでいただきます
色々仕込んで盛り付けるのもアートで楽しい

昔みたいにおせち料理にムキになることもなく自然体なのだが、やはり年末年始には何かおいしいものを作って元旦の朝からそれをツマミに酒を飲みたい。そんな気持ちから毎年何かしら作って一人で楽しんでいるのだが、いくら少なくこじんまり作ろうとしても最低量というのがあって、どうしても一人では食べきれない量を作ってしまう。ならばと作った余りを毎月探検探索でお世話になっているズサタン隊員宅へお歳暮代わりに届けるというパターンが定着した。今回は折詰め3パックを作って、老齢そば屋のかーさん、バンドの相方の奥様、ズサタン相方へ届けた。おせちと言ってもなんとなく正月らしいという程度の料理で正式なものではない。それに昨年の猛暑で豆類など不作だったし磯焼けで昆布も高い。だからおせちメンバーとして正式なのは「ごまめ」「なます」「にしめ」「だてまき」ぐらいだ。それでも元旦の酒には十分。しかも雑煮も作って餅を焼いてクルミのタレでいただく。この日ばかりは介護の母親にも雑煮餅を食わせる。勿論お餅はサイコロ状に切って焼いた小さなものだ。
そうして朝からしたたかに酔って、再び布団に入って二度寝。そしたらなんだかいやな夢を見て午後4時に目が醒めた。そして母親が寝ている台所へ行きラジオのスイッチをひねったら「緊急地震速報、大きな揺れがきます」と聞こえてきた。うっそ、何マジなの今日は元旦だよと耳を疑った。早速テレビを点けるも能登半島の定点カメラだと切迫した雰囲気は伝わってこない。その後津波警報、大津波警報で「逃げろ」「今すぐ逃げろ」と元旦の当番だった女アナウンサーがけたたましく怒鳴る。ああ、やはり正月早々酷いことになるんだ。日が暮れ母親の口に夕飯のご飯を運びながら13年前の震災の夜を思い出したそんな元旦だった。