ガロといっても、歌じゃない

ガロ特集版ヤフオクで購入
つげ義春が好きです
ガロの退廃的なとろがいい
日野日出志、好きです

最近は経済的に困窮しているし、若い頃は頻繁に取り憑いていた物欲大王の怨念もやっと落ちたようで、ヤフオクを見ていても欲望がらみの闘争心もすぐに萎えるようになった。というか、欲しいと思っても今必要ではない物は手を出さなくなった。そんな中で今回は70年代の漫画雑誌を三冊買った。1970年の一年間に発行された少年マガジンをフルコンプしたのは数年前で歯抜けだった巻を買い足して結局25000円ほどを消費したのは今から3年ほど前であった。それらはとりあえず全部読んでしっかり保管していている。今回買ったのはガロの特別編集号だ。作家別に数作品をまとめたもので、「ねじ式」や「無能の人」のつげ義春、兄つけ義春のアシもやって作風も似ているその弟、つげ忠男、そして「蔵六の奇病」「地獄変」の日野日出志の三名の作家の特集号。ガロはその当時の、大人コミックまではいかない青年コミック的ジャンル。今で言う「ビックコミック」とか「ヤングジャンプ」的なスタンスなのだが、当時の学生運動とその沈静後の無気力感から、人のやるせなさというか、金のためにならある程度オッケーという退廃的な雰囲気が漂っている。画風も今の漫画やアニメみたいに強引なアップや俯瞰図などなく、ただ静かに物語が進行してゆく。トーンもCGもない絵が基本的なコマ割りの中で紙芝居のように語られてゆく。やっぱ70年代の漫画はいいな。今回の作家さんらはもう70歳を過ぎていて、今もたまに作品を発表しているようだ。いつまでも頑張ってほしいもんだ。