半襟をちくちく縫う

糸を通すのに苦労しながら縫うのも、着物の魅力かも
花王フェザーシャンプーの年代物ブリキ缶

月末前の土日に市内のせんべいやさんの工場祭があってそのステージに出演依頼がきた。今年になって初のライブだからと奮発して黄色の着物に博多帯びで演奏することにした。昨年暮れは某町内の敬老会に出演したのだが、その時は手抜きして「うそつき衿」に半襟を両面テープで貼ってごまかしの着付けだった。客席のばあちゃんに衿が変だと直されて手抜きがばれたりして。しかもその後、両面テープで貼った半襟を剥がすのが大変だったこともあり今回はまじめに糸で縫い付けた。面倒くさい作業だが着物を着ると女子力が上がるってのは、着物着付けにはこんなささいな作業があるからだと思う。立体的になる部分なので前後左右別々に4回縫わなければならないのだが、この老眼、とても針に糸を通せない。通ったと思ったら途中で抜けてしまったり、指ぬきを探しているうちに針が落ちたり。とにかく眼が悪いと効率も上がらない。それでも何とか縫い付けて「うそつき衿は」二部式襦袢に安全ピンで取り付けた。ま、何事もこんなもんさ。工夫が一番。裁縫箱は昔の花王ーフェザーシャンプー(10円)の缶。これが銭湯の番台に置いてあって、髪を洗う人は必ず買っていた。その後液体のエメロンシャンプーが登場、シャンプーが粉石けんの時代は終わったのだった。

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