ズサタン報告・大谷山鉱山「到達編」

豊間根川を遡った源流部に林道最深部には、今では訪れる人もいない忘れられた信仰媒体オソノエラ鍾乳洞がある。そんな秘境源流部であるネコイノ沢にはかつてマンガン鉱を産出していた大谷山鉱山があった。大谷山鉱山が稼働し閉山した正確な年代は不明だが、当時、マンガン乾電池や製鉄の添加剤として需要があったマンガン鉱を産出していた。オソノエラ鍾乳洞を含む周辺の地層は二億九千万年前のベルム紀(三畳紀)に形成された水成岩とされる海底の推積層と火山性の岩盤が入り組んだ状態と言われ、林道沿いの露岩には褶曲した大きなチャート層が見られる。そんな大量のズリやドラム缶、鋼鉄のバケットらしき遺物が散らばるネコイノ沢北岸には産業遺構が眠っている気配が漂っていた。右二坑という坑道入口から落ち葉で滑るように中へ入ると、長雨のため水が溜まっておりかび臭い空気の中かなりの湿度を感じた。しばらく行くと一端坑道は曲がってから二又になり、左手にも暗闇の中に穴が続くがこちらは行き止まりのようだった。再び進むとまた二又になっており、このままでは坑道内で迷う可能性もあるたため、分岐にキャンプ用のキャンドルを灯した。坑道は左右に枝分かれしたり、上下に掘られたりしており、目的のマンガン鉱が見つかれば片っ端から採掘したのであろう。内部に進むにつれ無数のコウモリが飛び交い不気味さ満点の雰囲気だ。しばらく行くと褶曲したチャートから大量の水が滴っておりその先が、大きなホールとなっていた。地図による最深部にある坑道が二本あるようだがどちらも落盤しており先には進めなかった。ホールは歩いて来たメイン坑道から2mほど下で、ここからさらに各坑道をマグライトで照らしたがどの坑道も落盤しているようだった。探索を終え林道を歩いていると対岸の沢に鉄筋らしきものを発見。もしやと思い再び沢を渡り調べたところ、それは森林軌道のレールであった。この発見でオソノエラと大谷山鉱山の様々な疑問が解けてゆくのがわかった。

大滝沢で橋脚を探す
バケットらしき遺物
夏の森はサウナ状態
チャートと呼ばれる褶曲
坑内は水が溜まっていた
左二抗に進入する
坑内のホールにて
森林軌道を発見
アブの大群に閉口する

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