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私用で仙台へ。空き時間に宮城県美術館へ。特別展はフィンランド独立100周年記念フィンランド・デザイン展であった。北欧デザインはおしゃれなライフスタイルを謳歌するちょっとリッチでハイソなアラフォー女子に人気とか聞くが、こちとら60寸前の骨董オヤジだからピンとこないだろうと、半ば期待せずに入館。1300円であった。特別展がたいしたことなくとも、この美術館の常設展は見応えがあるから、そちらに期待ということでひとまず、ロービーに展示された椅子に座ったり照明などで自撮りした。特別展の最初のコーナーは陶磁器だった。そして家具、ガラス…と続く。そしてお約束のムーミン。近年のデザインでは意表をつくようなポスター、家具、染色、服飾の原画が展示されていた。それらを見て思った。「おれも手で描かなきゃ」みんな一生懸命に鉛筆を走らせデザインしてるんだということを実感した。便利な世の中になったから、便利な物を使って何か作ろうと思っても、ありきたりのものしか作れないことを知った。例えばかまど炊きのih炊飯ジャーで米を炊くと旨いそうだが、実際のかまど炊きの飯も食ったこともないくせに、何が旨いのだろう。バーチャルな画材で絵の具染み込みまでシュミレーションしたところで、紙に絵の具で絵を描いたこともないくせに何がわかるのだ。展示を見終わり会場を離れると、最近の自分を反省するきっかけを教えてくれた。アートは手でやらにゃ。いかん。そう思った。
常設展も何かといい作品があった。というか、テーマはよく見なかったが集められた作品の作者が明治~昭和初期の著名画家であった。絵よりその価格を推測する方が楽しかった。
やはり、たまには芸術に触れて目の保養をしないといかんな。この歳になると知性は意図的に刺激しないとしおれてしまう。そんなことを思いながら枯れ葉が積もった仙台のけやき通りを歩いて駅に向かった。